project and news of the botanical redesign

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weekly “Flower design” 09/26/2015


●Japanese name:パンパス, 銀葦(シロガネヨシ)
●English name:Pampas grass
●Scientific name:Cortaderia argentea
●Habitat:South America

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weekly “Flower design” 09/19/2015


●Japanese name:木蔦
●English name:Ivy
●Scientific name:Hedera
●Habitat:Japan

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weekly “Flower design” 09/12/2015


●Japanese name:吾亦紅(ワレモコウ)
●English name:Great burnet
●Scientific name:Sanguisorba officinalis
●Habitat:Japan, China, Korean peninsula

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no.4「いけばち」のすすめ

花は野にあるように。(千利休)

今から約30年前、日本では「第一次観葉植物ブーム」が巻き起こっていました。バブル景気に沸き立つ最中、衣食住の欲求の階段を駆け上がったその先により良い暮らしの象徴として、植物が脚光を浴びることなりました。いわゆる「インドアグリーン」なる単語が生まれたのもこの頃です。しかしそのブームも長続きすることなく下火になり、バブル崩壊と共に綺麗さっぱり鎮火し、残ったものは疲弊した産地と花屋さんの在庫だけでした。

それから30年の時を経た現代は「第二次観葉植物ブーム」と後世に呼ばれることになるでしょう。近頃は書店を覗けばライフスタイル誌は勿論、女性誌に至るまで「植物特集」の見出しを目にしない日はありませんね。エコの追い風を受けた現代のあらゆるメディアにおいて、訴求の要であることは誰の目にも明らかです。

そんな最近の風潮をとても喜ばしく思うと同時に、またしてもブームとして流れいってしまう前にそれらが文化として定着し、当たり前のことになって欲しいと心から願っています。植物をファッション的に消費することを否定はしませんが、計画的陳腐化に飲み込まれないための自己防衛は必要です。つまり、日本人は植物リテラシーをもっと向上させる必要があると思うんです。

ブームが手伝ってここ数年で情報とインフラが急激に発達し、普通のものから変わったものまで幅広い種類の植物を入手することは誰もが簡単に出来る様になりました。しかしそれとは対照的に「扱い方」に関する情報は明らかに不足しています。そこで、どうやったらリテラシーが上がるのかを僕なりに考えてみたのが「植物の扱い方をお作法として確立してみようじゃないか」ということです。そして、その思考実験を多いに助けてくれたのは今回もまた「活ける」という思想でした。

今まで植物は「植える」ものであって「活ける」という考え方はありませんでした。お花を活けるという考えはあるのに、どうして植物を活けるという考えには至らなかったんでしょうか。いけばなの様に「観葉植物や多肉植物を活ける」とはどうゆうことなんだろうか? 花を花瓶に活ける様に、植物を鉢に活ける。そのお作法を「いけばち」と呼んでみることにしてみましょう。

繰り返し述べていますが「活ける」は限りなく「最適化」と同義です。そう考えると「活ける」はお花を水につけるという行為だけに特定されるものではなさそうですね。その対象を観葉植物や多肉植物まで広げてみると何が起こるんでしょうか?

もし今ここに、植物と鉢があり「それをそこに活けてください」と言われたら、ただポイッといれて終わりではなくあらゆることに慎重になるのではないでしょうか。「少し傾けた方がいい顔してるかも?」「こっちの向きの方が綺麗かな?」以前よりも少し解像度をあげて今まで気にしなかった些細なことにまで思いを巡らせることでしょう。

少し大袈裟かもしれませんが、ひとつのプロダクトをデザインするようなことだと思っています。「もとからこうだったのではないか?」と思える必然性を追求するんです。まずは、あたかもそこから生えて来たかのような器との調和を目指します。そこで拠り所になるのは自生地を思い浮かべることです。例えばその環境に良く似た素材感の器に据えることは、植物との調和における正攻法のひとつです。

そして次に、より自然らしい姿を目指すことです。あるがままを美化し何もしないことは簡単ですが、素材の良さを「活かした」とは言えません。あえて少し傾けてみたり僅かに剪定をすることでしか見えこない良さが、どの植物にも必ず潜んでいます。人の業が前に出過ぎず、植物がより自然らしくあるような最適な状態を思い描くこと、すると次第に収まるべき所が見えてきます。

「活ける」という響きに触れたとき、何か特別な敬意が心に沸き起こる筈です。行為はそれに従うままに任せればいい。そうした意識の集積によって不思議と細部が輝き、より活き活きとした佇まいを見つけることが出来るんです。花を花瓶に活ける様に、植物を鉢に活ける。そんな、植物の新しいお作法として「いけばち」をこれからも追求してみようと思います。

千利休は利休七則のなかで「花は野にあるように」と記しました。この言葉の奥深さは「あるがままに」ではなく「あるように」と言っているところです。つまり利休的植物哲学は「自然の再現」ではなく「自然の最適化」であると、僕は解釈しています。もし利休の生きた室町時代に観葉植物ブームが訪れていたら「いけばち」はもう存在していたのかもしれませんね。

text by nobuaki kawahara

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weekly “Flower design” 09/05/2015


●Japanese name:阿檀(アダン), タコノキ
●English name:Pandanus
●Scientific name:Pandanus odoratissimus
●Habitat:Japan(okinawa), Southeast Asia